仕事の思いやり
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仕事の場面でも慶弔事は多いもの。開業や開店、上司の栄転や昇進、さらには退職まで、贈りものをする機会がたくさんあります。お世話になっている上司には個別に、会社の部課単位で行なう場合は合同で、お祝いの会を催したりお祝いの金品を贈ったりするのが一般的のようです。
専務や社長など高い役職に就いた場合の表書きは「御就任御祝」とします。また役職が現状より上位に就く場合(係長→課長、課長→部長)は「御昇進御祝」となります。「御昇格御祝」は資格や能力評価が上がった場合に用いられます。
用途 | 水引・のし | 表書き | ひと口メモ(★はお返し表書き) |
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開業・開店 | 御祝 祝御開店 御開業御祝 寸志(従業員へ) |
開店前日または当日に ★「開店記念」「開業記念」 |
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栄転・昇進 | 御祝 御栄転御祝 御昇進御祝 御昇格御祝 御就任御祝 |
正式発表後1~2週間で 返礼は礼状で |
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受賞 | 御祝 祝御受賞 |
決定直後または パーティの数日前 ★「内祝」 |
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退職 | 敬呈 謹呈 記念品 御退職記念 御餞別 粗品 |
当日 礼状で返礼 |
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引越・旅立ち | 御餞別 御贐(おはなむけ) |
出発当日までに 礼状で返礼 |
水引は古代中国陰陽説から?
慶弔の儀式での贈答が習慣化すると、包んだ和紙を結び止めるものとして使用されるようになったのが水引。和紙をよってこより状にし、よりが戻らないように水糊で乾かし固めたことから水引と呼ばれています。
水引の結び方には、花結び(はなむすび)・結切り(むすびきり)・鮑結び(あわびむすび)の基本結びがあり、用途ごとに使い分けます。
花結び(蝶結び) 結び目が簡単に解けて何度も結び直せるとの意味から、何度も繰り返したいとの願いを込めて、婚礼関係以外の一般の祝事、お礼・ご挨拶・記念行事などのご贈答に用います。
結切り(固結び) 固く結ばれ解けないことを願って婚礼関係に用います。また二度と繰り返さないようにとの願いを込めて、弔事関係や傷病のお見舞・全快祝い、災害見舞いなどに用います。
鮑結び(あわじ結び) 結び目が複雑に絡み合い、解こうとすれば解けるのに、容易には解けない意味合いがあります。また、昔から長生きと長持ちの印と重宝がられた鮑の形に似ていることから、いつまでも良きお付き合いをとの願いを込めて慶事と弔事に用いられます。